掘り込み式ガレージ (2021年7月施工)
溶接の依頼を以前頂いたお客様から電気工事の依頼を頂きました。
出会いは愛車のCT125のカスタムパーツDIYのお手伝いでした。 このバイクを見せて頂いてから私の欲しい欲しい病が発症したのは言うまでもありません。
掘り込み式のコンクリートガレージにある電動シャッターを撤去して位置を庫内方向へ後退させ新規でガレージドアを設置する工事を行うにあたりこれまでシャッター直近庫内側にある照明スイッチやコンセントが屋外側になってしまうのでスイッチの移設とワークベンチ付近のコンセント増設の依頼です。
こだわりを感じる自作ワークベンチやストレージラック、思わず興奮させられるオートバイの数々、すごく良い雰囲気のガレージですのでこの空気感にマッチしたデザインで施工する必要があります。
工事内容
- 旧シャッター本体の電源・制御ケーブルの撤去整線
- 既存スイッチの移設
- コンセント増設
現地作業期間 | 延べ0.5日間 |
施工費用 | 約6~7万円 |
施工前状況
最終的な施工とは異なりますが初期の現場調査から一先ず頭の中でプランして部材の準備のために描いたアイデアスケッチです。
通常この規模ではスケッチすることなく作業を進めますが今回はせっかく趣のあるガレージですので電材やその使い方も工夫できるようにイメージを膨らませました。
性能や機能的に不要必要で言えば不要なものもありますがその場所の一部としてふさわしいか?馴染むか?はこれから使い続けるお客様の継続的な「体験」となるので大切です。
こちらは掘り込み式ガレージの開口ぶぶん、頭上にあるシャッター巻き上げ部分が収まっていた空洞です。
すでに電動シャッターは撤去され電源や庫内・屋外2箇所の操作スイッチ向けに制御ケーブルがCD管を通して配策されています。
当初シャッター撤去前の下見ではこの部分から電源を分岐し、新規設置のガレージドアのサイドフレーム部分を貫通して庫内側に配策するプランを立てていましたが撤去後実際に回路を確認するとこの部分は末端側であることが分かり急遽プラン変更です。
結果的には新しいガレージドア枠を貫通せずに施工出来ましたのでガレージ正面からの意匠を崩すことなく理想的な方法で解決できました。
既存施設、特に配線図がない場合には実際に障害物が撤去されて開けてみないと分からないことが殆どですが状況や条件に合わせて臨機応変にプランを変更して最善の方法で施工します。
難しい状況はあっても不可能はないと信じて日頃いろいろな想定を巡らしたりパーツや電材を調べ組み合わせをイメージするプロセスは必要です。
施工状況
ガレージ内中央にある既存照明の根元が起点になっていましたのでここから電源を取るプランになりました。
またレール式の照明器具はガレージ壁面にあったスイッチ経由で電源と接続され更に照明器具内にリモコンスイッチ受信部が内蔵されていますが庫内側に新設されるスイッチからの直接コントロールに変更したいとお客様のリクエストで照明器具に手を加えて仕様変更となりました。
この位置から右手の壁面に電線管を配策してガレージ開口側にスイッチ系統、奥側には増設コンセントの為の電源を送ります。
新しいガレージドアのレールと電線管が馴染んでますね。
ガレージドアのレール付近です。
電線管で施工すれば脱落して何かが絡んでドアが開かなくなる心配もありません。 裏口がないガレージではドアのスタックは致命的です。
我々施工する側もお客様がこんな景色を楽しんでくれるかなと想像し(実際には自分もニヤニヤし)ながら施工しています。 一つひとつの仕事が楽しくお客様の笑顔を見ると心が満たされます。
ガレージ奥のワークベンチ付近、立った姿勢でそのまま目視しケーブルの抜き差しができる作業床面から120cmの高さで6口のコンセントボックスを設置しました。
屋内コンセントは床面から20~30cmに取り付けられていることが一般的ですがケーブルが床面を這うことになり荷物で配線をつぶし火災の原因になったり、抜き差しが多い場合その都度かがまなくてはならずエルゴノミクス上最善ではありません。
作業場内でかがむ、しゃがむの動作は立ち上がりの際に頭部をぶつける可能性を増やすだけで危険です。
この原因をあらかじめ取り除くことにより効率よく快適な作業を可能にし、常に視界にも入り結果この場所での作業の安全につながります。
このような視点で小さな工夫や検討できるのも労働安全・衛生管理の専門家でもある電気工事士に施工を依頼する利点です。
ガレージ開口部の室内側に新設されたスイッチボックスです。
お客様こだわりのプレートを既存のスイッチから引き継いでいます。
これまで室内側にありガレージドア位置後退により屋外側となってしまったスイッチは内部の不要配線を撤去してカバーしました。
同じく屋外側となってしまったコンセントは防水カバー取り付けてこれからも使用できるように改善しました。
電動シャッターの制御線は撤去して既存の電源線を活用し将来センサーライトを設置するというお客様のリクエストに対応すべく手持ちの屋外コンセントを追加しました。
開口部分のカバーにもなり一石二鳥です。
無事完成です!
今回は工事開始後にプラン変更がいくつか発生して途中部材仕入れに走るというイベント付ではありましたが施工完了しお客様にも喜んで頂けました。
これから作業や仕様の過程で変更や追加等改善が必要なこともありますがそこを見越して施工してありますので拡張性もあります。
施工しながらついつい眺めてしまう一瞬が随分多かったお仕事でした。
フレックスフリートでは小さい工事や改善、DIYのお手伝い、思いがけず発生したトラブルや緊急の修理、賃貸住宅のリフォームなど工期が迫っているプロジェクトも可能な限り対応いたします。
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