ガレージハウス (2020年3月施工)
都内の住宅街の一角にあるモダンな集合住宅。
いわゆるデザイナーハウスと呼ばれる特殊な方法やワンオフの建具などで作られた住宅です。
こだわりのデザインや施工方法の数々、パーツを組み合わせて構成された設備は既製品ではすぐに対応できない環境でしたが急遽3月中に空室のリフォームを完了したいというオーナー様のご要望で居室2室と屋外ごみ集積所のドアの改良工事を承りました。
こちらの工事に引き続き、今回はそのうちの1つです。
オリジナルの状態は一面強化ガラスが張り付けてありましたが、台風などの強風で扉が煽られた際の衝撃で5枚中4枚が破損してしまいました。
対応策として強化ガラスからアクリルパネルに素材を変更し、更にドアのラッチ機構をワンオフで加工して追加することになりました。
工事内容
- 既存強化ガラス撤去
- 破損部分の残骸撤去
- ラッチ機構の追加
- レーバーロック(扉止め)追加
- 緊急脱出装置追加
現地作業期間 | 延べ4日間 |
施工費用 | 約20~30万円 |
尚、今回の費用にアクリルパネルと塗装料金は含まれておりません。
施工前状況
ロック機構の備わっていない扉が台風等の強風により煽られた際の衝撃で強化ガラスが破損して脱落した状態でした。
ラッチ施工状況
ステンレス製の特注ドアフレームに残っている接着剤を丁寧に取り除いて清掃した状態です。
ドアフレームにはラッチ本体を固定するためのねじ穴4か所を開孔し、そのうちフレームにかぶる2箇所はブラインドナットを使用しました。 これにより将来の取り外しが簡単になりまた強度も確保されます。
タッピングで施工すれば簡単で時間もかかりませんがアクリルパネルといえども万一破損したり傷が入って交換する場合に作業性が損なわれます。
そこもしっかりと考慮してひと手間かけておきます。
ラッチの位置が決まったのでそれに合わせてキャッチの基台を調整します。
あらかじめ採寸して工場で仕込んではありますがやはりフレームと枠もそれぞれ微妙に異なりますので現場での修正が必要になるので、仕込みもあえて完成まで行わずに修正の由を残しておくのが秘訣です。
現物合わせで仕上げします。
当社の工作車であるランクルサービスボディーに折り曲げ機を積んできましたので現場作業もOKです。
両端の扉は取り合いが全く異なるので独自形状のキャッチ基台を用意しました。
当初は全く異なる形で試作してきましたが現場合わせで全く別物に。
これも我々ならでは・・・
多少の動きはありますが機能性に問題ありません。
反対側の扉はさらに形状と取り合いの異なる中で開閉頻度が最も高い位置でもあります。 また同線に面した位置関係からもベース金具の形状を変えて施工しました。
接触などにより怪我の無いよう安全カバーも追加しました。
このように納まりました。
レバーロック施工状況
ドアフレームの設計寸法が非常に厳しくクリアランスはありません。
これ以上薄いキャッチも存在しないので対策としてレバーロック(開き止め)を追加します。
ステンレス製レバーロックは引っ張り方向のストレスがかかる部分にはブラインドナット施工になっています。
解放位置では緩くロックがかかる仕組みです。
最大開口も十分に取れて更に強風で扉が煽られても隣の扉のキャッチとのクリアランスを確保できパネルやキャッチ機構の破損を防げます。
緊急脱出機構追加
当初ラッチ機構は強風対策でしたので外部から開け閉め可能であればよいとのお話でしたが子供が中に入った状態で扉が閉まったり、大人でもメンテナンスや清掃中に閉じ込め状態になることが懸念されますので5枚のうち2枚に緊急開放機構を追加しました。
内側からスティックキーで表面のラッチハンドルを押し上げて・・・
ロックを解除する仕組みです。
キーは紛失防止のため直近部分に収納します。
使用方法の表示を貼って完成です。
意匠加工
アクリルパネルでフレームと被る部分には内側からブラックアウトの塗装を施して完成に近づきます。
だんだんと元の強化ガラスが健在であった時の姿がよみがえってきます。
接着養生のテープがそのままではありますが、完成の姿です。
今回はデザイナーハウスのカスタムメイドドアパネルの改善作業でしたが、一つとして同じものがない状態で修正と調整を重ねながら目標としている機能をしっかりと持たせつつ、安全面も考慮した作業ができお客様にも満足いただけました。
また今回のオーナー様は細かい部分をすべて当社にお任せいただきました。 この信頼関係が作業を承る我々にとって大変嬉しく有難いものでもあります。
フレックスフリートでは思いがけず発生したトラブルや緊急の修理、賃貸住宅のリフォームなど工期が迫っているプロジェクトも可能な限り対応いたします。
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