アパート玄関ドア(鉄扉)サビ穴補修(塗装無し)

アパート玄関ドア(鉄扉)サビ補修 (2022年3月施工)

神奈川県秦野市

築30年以上のアパートにて使用されているスチール製の玄関ドアにサビが発生し、一部は腐食が進行して穴が開いたりグサグサになり崩落ている状態。

これまでに塗装補修なども試みた形跡もありますがほとんど効果なくダメージが進行しておりさらに悪化する前に食い止めたいとのご依頼をアパートのオーナ様より頂きました。

入居前の空室のうちに速やかに、かつコストを抑えて修復したいとのリクエストです。

また同時作業でこまごまとした補修・改修作業のご依頼もいただきましたので全体的な予算とコストのバランスを考慮し、玄関ドア自体の交換も念頭に補修の依頼をお受けいたしました。

フレックスフリートではコストをかけずに回復できるところはセーブし、その分の予算を本当に必要としている部分や将来の改善に投入して頂ける様にワンオフにてステンレスパネルを製作し修理で回復・保存する方法を提案いたしました。

オーナー様要望

  • コストを抑えたい
  • ドアを活用し延命したい
  • 工期の短縮
  • 作業による騒音・匂いの低減

工事内容

  • ワンオフキックプレート制作
  • 損傷部分御切除
  • 防水処理
  • キックプレート取付
現地作業期間 延べ2日間
施工費用 約4万円/1箇所

施工前状況

木造2階建てのアパートです。

玄関の鉄扉の下端が腐食しています。

2階の玄関扉は軒やオーニングもないので雨ざらしの状態ですので30年以上の間に腐食が進んでしまったものと思われます。

玄関室内側もダメージが進行しています。

またドア枠も浸水により腐食が進んでいますので手当てが必要です。

腐食により膨張しドアパネルとドア枠の隙間が無くなり接触して更に錆が崩壊しやすい状態に。

時間の問題で崩れる状態です。

下端を下から除くともうザクザクです。

また過去の外壁塗装補修工事において、当時からすでにダメージを受け腐食した部分にアルミテープを貼りその上から塗装をしてありました。

英語では「Duct-Tape」(強力ガムテープのようなもので穴をふさいでとりあえず直し、結局そのまま・・・)という言葉があります。 根本的に修理せずなんでもダクトテープで応急処置をして完了とする状態を揶揄した言い回しです。

この状況がまさにダクトテープされた状態です。

このアルミテープが悪さをして湿気や水分をしみこませて乾燥をの障害となり一気に腐食が進む結果になっています。

ちなみに1階部分も腐食や痛みはありますが2階の通路により直接雨が吹き込みにくいレイアウトの為2階に比べるとダメージは小さいです。

現地調査ではドア本体並びにドア枠に傷をつけることができませんので想定ではありますがドア枠の裏側、建物の躯体にも損傷が及んでいるものと思われます。

オーナー様の要望としてドア交換となると躯体の損傷に補修(大工工事)にまで発展し大幅に予算を上回る可能性があるのでそれは避けたい。 既存のドアを活用して実用に耐え防犯・防火上の機能を最低限維持しつつ短期間で保守完了を目指したいとのことでした。

そこでこれまでの車両架装の技術を応用してキックプレートで補強修正し機能を維持する方法を提案させて頂きました。

施工状況

先ずは叩いて状態を見てみますが、ボロボロと錆が内部から落ちてきます。

押すと簡単に崩壊する様態ですのでダクトテープの裏側の本来のパネルやフレームの一部は完全に腐食して強度をすっかり失っています。

ダクトテープ戦法もある意味頑張ってますね。

ダクトテープ補修による表面や裏面貼ってあるアルミテープを除去します。

今回は玄関ドア2箇所施工しましたがこちらは比較的ダメージが少ない方のドアです。

内側も同様に一部解体します。

パネルをたたくとザクザクロ錆が位置て床に溜まります。

ダメージを受けたエリアを切除しある程度強度のある部分まで綺麗にします。

撤去した部分は扉1枚でこのぐらい出ました。

今回の「キックプレート法」(工法とまで言うと大袈裟ですからね)では・・・

この方法に至るまでにテストピースを作成して取り合いや干渉を確認しています。

1.6mmの厚みではありますがドア枠周りのゴムパッキンとの接触範囲によってはドアのしまりが渋くなることもあります。 また古いドアは劣化の進み具合も異なりますのでドアごとに調整が必要です。

パネル下端が90度折りとなっているステンレスパネルを先ずは表面から取付ます。

一度あてがって取り合いを確認します。

ドアごとに劣化による下がり具合やドア枠との取り合いが異なります。
特に築年数が古い建物では変形もありますので一つ一つサイズや隙間が異なります。

内側を吊元側と外側では取り合いが異なり、ドア自体の厚みやドア枠の腐食による膨張で変化していますので微調整が必要です。

今回はドア枠の変形もありキックプレートを内側のみ10mm短くし取り合いを確保しました。

更なる腐食を少しでも防止し延命するために防水処理を施します。 一方で排水性が悪くても腐食の原因にもなりますので下端は開放し水がたまらないように加工します。

施工後

 

このような仕上がりになりました。

塗装不要の施工方法ですので塗装色が合わないトラブルもありません。

バールなどでこじ開けられるようないたずらにもある程度抵抗できるようになりました。

1.6mm厚のステンレスプレートが変形する前にドア自体が変形するはずです。

室内側もこのように綺麗に納まりました。

ドアの開閉も問題なくスムーズです。

ドア枠の下角の部分は完全に腐食して更に木造躯体部分まで腐食が進んで錆と土になった木が混ざっている状態でしたので除去してコーキング処理を施しました。

この部分は外壁に作業範囲が広がらない範囲でダメージの進行を抑制するための手当てをさせて頂きました。

完全に錆びや腐食箇所を取り除くとフレームが無くなってしまいますので深追いせずとも極力責める見極めが難しいです。

今回は玄関ドア2箇所の施工でしたが現調・採寸1回、ワンオフパーツ納品後現物合わせ1回、施工1回の3回現地にお伺いして施工完了となりました。

ドアに合わせてパネルを試作しますので最低でも1週間程お時間を頂きますが限られた空室期間を活用し、かつ入居日を遅らせることなく既存のドアを補修し延命する方法としては空室率を圧縮しなければならないアパートやマンションのオーナー様には選択肢の一つとなると思います。

気になる方は是非ともご相談ください。

フレックスフリートはその状況や将来の予定に見合う、またお客様の必要としている内容にあった施工を提案します。 一方で危険や障害の原因となる要素がある場合にははっきりと指摘したうえで対処方針をお客様と一緒に検討させて頂きます。


フレックスフリートでは思いがけず発生したトラブルや緊急の修理、日ごろ使っている中で感じる「悩み」を修正改善すべく可能な限り対応いたします。

その「困ったもの」や「悩み」のほとんどは実は安全上の問題であることが常です。

事故や怪我が発生する前にご相談ください。

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