トレーラーヒッチクレーン試作

トレーラーヒッチクレーン(ウインチ機能付)設計試作・納品

愛知県名古屋市
参考価格: 200,000円~(設計・試作コストを含む)

トレーラーヒッチクレーンで吊荷を解かずにウインチ動作とクレーン動作を簡単に切り替えられる機構を作れないかとの相談を頂きました。

サービスボディー架装のプロジェクトが進行中で半年ほどお待ちいただきましたが無事納品となりました。

今回の器具の目的は

  • 100kgまでの吊り上げ荷重
  • テールゲート付近で吊り上げた吊荷を回転して地上と荷台で上げ下げする(ホイスト)
  • 地上で車両から離れた場所にある吊荷を引き寄せる(ウインチ)
  • 12V電動によるホイスト
  • 取外し・可搬式

無事完成して納品出来、オーナー様にも喜んでいただけました。

基準車に高さも調整してありピッタリです。

旋回の動作もスムーズでした。

操作時のオペレーター位置も安全です。

Trailer Hitch Crane – Hoist and winch

作業開始

先ずは材料を合わせてイメージの確認です。

使用時にトレーラーヒッチに取り付けて、未使用時は取り外すことが大前提の器具なのでその取扱いが簡単で確実にできることが基本です。

対応車種のスペックをあらかじめ聞き取りしてあります。 更に必要最小限のマージンを考慮した寸法で切り出してみました。

可倒式のアウトリガーを添えてイメージと使用感を確認します。

参考に私のランクルで実験しておりヒッチの高さが大幅に違うので実際にはベースフレームがアウトリガーの下に納まる設計です。

ヒッチ地上高を実車に近づけるためにスロープを調整して車高を上げました。

ここから本格的にスタートです。

ここに至るまでに様々な加工方法や材料を検討して実物で試作の際に発覚する問題に対応すべくアイデアを溜めておきましたが実物で検証すると案外あっさり解決できたりします。

イメージ通りの姿になってきました。

この動きを元に使用感を考慮して詳細と加工の方法を検討しました。

アウトリガの機構は上物が形になってから決定します。

ブーム検討

ベースが見えたので次にメインブームを決めます。

実物を見ながら溶接の箇所や方法を確認します。

ここで予定ではベースフレームを若干長めに刻んでサポートを前後対象に付ける予定ではありましたがうっかり前方のみのマージンで裁断してしまいました。

(結果的にはそれが正解となりますが・・・)

仮付けして先に進めます。

アッパーブーム

今回の分解可搬式クレーンは2分割でベース部分とクレーン機構と回転部分を一つにまとめたアッパー部分で検討しています。

ブームの90度曲がり部分の検討です。

これであれば綺麗に溶接できそうです。

ベースの接合部分いついで負荷のかかる部分でもあります。

補強と電動ウインチマウント、フックアンカー、回転機構を一気に組み上げました。

実際の設計よりも多少ブームの張り出しを長くしてあります。

短く擦れば負担も少なくなり耐荷重も上がりますが実験的な要素もありますので多少長めに取ってテールゲート上での吊荷捌きの範囲を広げてみました。

短くは簡単にできるので、アンテナ製作ではありませんがカットアンドトライ作戦です。

電動ウインチをネジで固定して可搬性と取外し性を検討します。

重量も軽くはないですが重たくも無く一人で安全に設置撤収が可能なレベルです。

試作1日目は2人作業でしたが検討や実験もありここまでで終了です。

初日の段階でほぼ形も出来上がり、簡易ではありますが塗装まで進めることが出来ました。

ショートパーツもありますが概ね組みあがり動作試験をできる状態にまで仕上がりました。

懸案事項であったアッパーブーム部分はなかなかの出来です。

アウトリガーも格納方法を決定して収納上も有利な位置と向きで固定されています。

更にウインチ機能仕様時のアンカーの位置もヒッチの高さを合っていますので負担の分散に有利です。

回転部分にアッパーブームの回転操作を簡単に行えるハンドルを追加しました。

電動ウインチの電源も運搬や作業で損傷を受けないように保護してあります。

ジブの部分もシンプルで取り扱いやすい形状に落ち着きました。

ベース部分も荷重用ではないカラビナですが仮に接続してみました。

クレーン操作もホイスト操作も申し分なく切り替えも確実にで簡単にできます。

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